週末の午後、私はいつも仕事で降りる駅前の広場にある時計の柱のあたりで立ち止まった。


ここで良いんだよね……?


いつも仕事場は駅裏の通りを行くのだけれど、今日は駅前。


しかも周りには私と同じように待ち合わせの人たちがいて、私もその中に混ざり念のためメールを確認した。


この間ハンカチを返した時に週末はどうかと言われた私は、あろうことか自分も会いたいなどと口走った。


一之瀬さんは嬉しそうに微笑んでくれたけど、でもなんとなくその前の表情とかが有無を言わさないような感じで。


そして、連絡したいからとメアドも教えたんだ。


それでも私は自分があの人に会いたいと思って返事した事だもんね。


今日まで数日嬉しいのと恥ずかしいのと待ち遠しいのと、いろんな感情が入り混じって。


美和さんはそんな私を見てにやにやと笑っていた。


はぁ、どうしよう。緊張するなぁ。


こうして待ち合わせとか、友達ならまだしも知り合ったばかりの人を待つのってどうしても不安になるよね。


一之瀬さんを探すように顔を上げて、真っ直ぐ向こうに見えた姿は、一直線に私の方へと向かってきた。



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