私は車の助手席に乗せられて自宅アパートへと向かっていた。


黒塗りの車なんて初めて乗ったよ!


車内も皮張りの仕様に少し緊張する。


さっきまで飲んでいた酔いもあっという間にさめた。



「華ちゃんと乗るなら可愛い車の方がいいね」



シーンとした車内でぽつりと漏らされた声を振り返った。



「この車、凄いですね」



返事する様にそう言えば、一之瀬さんは、でしょ?と私を見た。



「会社の車。でも、私用で使っちゃうんだけど」



軽く笑う一之瀬さんは運転しながらまたちらりと私を見た。


優しい目元にどきどきして、会社の車らしいけどこうして乗せて貰えて嬉しい。



「あ、でも今は仕事の帰りね?」


「ふふっ、」


「一応、言っておく」


「あははっ、大丈夫です。見るからにお仕事の帰りですから」



いつもビシッと着こなされているスーツ姿はやっぱりネクタイが緩められて、ワイシャツの一番上が外れている。


この間のオシャレな姿も凄くカッコ良かったけど、このスーツ姿にどきどきするんだ。