「華ちゃんは?仕事帰り……ではないよね?」



それならうちのビルの前で会うだろうし。


付け足されたその言葉は少し考えながら。


あ、何か考える時ほんの少し眉がよるんだ。


皺を作るほどではないけれど、本当に僅かに眉間に集中する気配を見つけて、これまで会った数回の内、何度か見かけた気配に顔が緩んだ。



「学生のころからの友達と飲み会でした」


「飲み会かぁ」


「しょっちゅうじゃないんですけど、声かけて貰ったら行く感じで」


「へぇ、」


「なんだかんだ、みんな仕事の愚痴とか近況報告とか、」


「うんうん」


「誰が結婚するとか、もうそろそろなんて話も出てて。歳とったなーって」


「えっ、ちょっと待ってよ。華ちゃんそんな事言ったら、俺オジサンじゃん!」


「えっ!?いえ、一之瀬さんは全然そんな感じないですよ!」


「またまたー」



2人言いあって、それから同時にぷっと吹き出した。


車が止まったのは自宅アパートの前。



『今日は家の前まで送るね』