そう言った一之瀬さんは盛大にため息を吐きだした。


……そうだよね。


誘うの、慣れた感じするもんね。



「出逢うのは大体仕事の関係の人だったから、お嬢様ばっかりでさ。逆に誘わなきゃいけない、みたいな……って、俺、すげー言い訳がましい、」



がしがしって頭を掻いた一之瀬さんはそのまましゃがみこんで頭を抱えるようにした。



「でも、さ」



しゃがんだままこっちを見上げた一之瀬さんは、いつもの柔らかく微笑んだ表情じゃなく、真剣な顔で。



「華ちゃんの事は、今までとは別……全然違うから、」



そう、呟くように言った。


言葉をちゃんと頭で理解して、徐々に顔が熱くなってくる。


一之瀬さんはあっという間にいつもの表情で立ち上ると、またぐーっと伸びをして。


見上げた私に向けた笑顔はやっぱり有無を言わさないというか。


これ以上の事は言いませんって書いてあって。


掴めないというか、不思議な人というか。


でも私はやっぱりドキドキして、だからこそ、知りたいと思ってしまう。



「ご飯食べに行こうか、」



傾いてきた太陽に照らされた柔らかい表情に、私は大きく頷いた。