Time Paradox

スペシャルゲスト

3回ドアをノックする音が聞こえ、ルーカスの声が聞こえた。

「リリアーナ様、朝食の時間です。」

リリアーナは涙を拭き、ベッドから降りた。

ルーカスはテーブルの上に朝食を置くと、さりげなくリリアーナの様子を窺った。
おそらく様子を見るためにお手伝いさんではなくルーカスが来たのだろう。

リリアーナはルーカスが来た時から俯いていたので表情は読み取れなかっただろう。

リリアーナは絶対に顔を上げずに、小さな声で「ありがとう」とだけ言い、椅子に座った。


すると、重い沈黙を破るようにあの長身の男が部屋に入ってきた。


「何しに来た?」

ルーカスはその男を睨みながら言った。


男は構わずリリアーナの向かいの椅子に座ると、長い脚を組みながらルーカスに嫌味っぽい笑みを向ける。


「ルーカス、忘れたのか?お前は俺に勝てない。」

ルーカスはその言葉に一瞬悔しそうな顔をしたが、またいつもの無表情に戻った。

「兄さんこそ、ずっと前から父さんに見放されてただろ?」


ルーカスはそう言って部屋を出て行った。
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