○野々宮 華乃
●平沢 一哉



引っ越した部屋の隣に住んでいたのは、高校時代の先輩だった。

「俺もこれから作るんだけどさ、おいでよ。一緒に食お」
「……荷物置いて着替えたらすぐ行きます」
「ん、待ってる」


いつもの笑顔も、うっとうしいくらいのお節介も
あたり前にそこにあるものだと、いつから勘違いしていたんだろう。

こんな、溢れるほどの想いを……
どうしたら、勘違いできたんだろう。


「彼女がいるくせに、他の女にそんなこと言えちゃうとか。幻滅しました」

隣にいるのに。

「平沢さんに……好きになってほしかった……っ」

その想いは届かない。


「なぁ。俺、本当にもう華乃ちゃんに構っちゃダメなの?」


差し伸べられる手は、後輩への優しさからなのか、それとも――。







start 2016.1.23
end 2016.4.23

2019.5.9  afterstory追加



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先輩  後輩  じれじれ  初恋  お隣りさん