強引なカレの甘い束縛


ふたりきりでずっと車の中にいたから意識しすぎるているのかもしれないけれど。

「ルイルイのフルーツタルトもシュークリームもちゃんと買ってやるけど、今度はあのチーズケーキ、俺にもホールでひとつまるまる作ってよ」

後部座席に置いてある手土産のチーズケーキに向けた視線はやたら艶っぽくてどきりとする。

いつもの陽太とは、やっぱり違う。

「陽太……?」

「ん?」

「あの……」

どう言っていいのかわからない私の戸惑いに気づいているはずなのに、陽太はくすくすと笑ってばかり。

「さ、七瀬の顔をみんなに見せようか」

どこか怪しげな口元に混乱しながら、私は流されるように小さく頷いた。








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