引っ越しと転校を繰り返すたびに強いられた、新しい人間関係の構築。

そして、それまで親しくしていた人たちとの別れを繰り返すたび、私と仲良くしてくれた友達や大切にしてくれた近所の人たちを裏切るような気がしてつらかった。

そのつらさが蓄積され、私の心の多くを壊していった。

修学旅行を二か月後に控えた高校二年生のある日、私は何度目かもわからない『引っ越し』を両親から告げられた。

すでに引っ越し業者の予約も転居先も決まり、私はひとまず高校を退学して翌春もう一度近くの高校を受験すればいいと言われた。

高校入学以来、少しずつ増えた友達と、バイト先で築いた人間関係によって人並みの生活を送る幸せを感じていた私は、引っ越しは嫌だと初めて抵抗した。

けれど両親にその気持ちが届くことはなかった。

ひとつの場所に居続けることができない両親の心はすでに新しい場所に向けられていて、私の願いなんてとるに足らないものだった。

何を言っても取り合ってくれない両親に、私はとにかく修学旅行には行きたいと訴えたけれど、それも拒まれた。

修学旅行の自由行動で、一緒に回ろうと約束していた友達や、当時クラスで人気があった男の子と写真を撮れたらいいなと思っていたことが頭に浮かんではそのたび悲しくて泣いた。