強引なカレの甘い束縛
甘々展開



私が住んでいるのは、築八年の一五階建てのマンションだ。

駅から徒歩三分という立地の良さと、近くにショッピングセンターがあるという人気の物件で、高校卒業後の春休みに越してきた。

ひとり暮らしを始めるにあたり、なによりも安全を優先させて姉が探し出した新築物件は、姉夫婦が購入し、私を住まわせてくれている。

姉がそれを決めた大きな理由はやはりセキュリティがしっかりしていることだった。

今ではかなり普及している指紋認証も、当時にしては珍しく導入されていて、一階入り口のドアを開けるにはロビーに設置されている機械に指を通さなければいけない。

その機械の横には、常駐している警備員さんが立っていて、指紋認証を済ませた住人と、住人が許可した人しか通してくれないほど管理は厳しい。

姉が高校生のときから付き合っていた忍さんとは、私の大学進学を待って結婚した。

すでに両親が他界している私と姉は、それまで二年間を二人で過ごしてきたけれど、両親の三回忌を終え、ようやく落ち着いたこともあって姉は重い腰を上げたのだ。





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