強引なカレの甘い束縛


「……ちょっと待って。私は陽太の恋人じゃない」

「じゃ、今から恋人だ。両想いの男と女が気持ちを伝え合ったらそれは恋人関係に昇格。そして離さない」

私の戸惑いを十分わかっているはずなのに、陽太は自分の想いが溢れだすのをどうすることもできないようだ。

陽太を車で迎えに行って、狭い車内でときめいたのが今朝だったなんて信じられない。

まる一日陽太と一緒にいて、ふたりの距離は一気に縮まり驚くばかりの展開を見せた。

「離さないし、離れるな」

まるで私はお姫様にでもなったのかと勘違いしそうな言葉を言ってもらえるなんて思わなかった。

まだ曖昧なことも多い、おまけに私の避難地帯とでもいうべきこの家から出ろと無理を言われても困るけれど。

好きな人から言われたい言葉の上位に入りそうな言葉を次々と言われると、舞い上がる気持ちに嘘はつけなかった。





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