一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
ミッション7テニスイベントを成功させよ

あの様子だときっと優と里香は上手くいく。

5年の経験でなんとなくそれは察知出来る。

ただ、耀についてはどうしたらいいのだろう。

かつてこんなに頭を悩ましたことはない。

こんなに胸が、心がえぐられるような感覚に陥ることもなかった。

耀のふたりを見守る柔らかな笑顔が頭から離れない。

何度か見た耀の笑顔が思い浮かぶ。

と同時にひとり寂しくあの広い家で過ごす耀を想像しては心を痛めてる。

私が心を痛めたってなににもならないのに。

なんとかしてあげたいと思う。

推進課の存続云々に関わらず、耀の笑顔を守りたいと思うんだ。


「吉木さん、菅原くん、ちょっといいですか?」


頭を抱える私の頭上から課長の声が聞こえてきた。

まだ課長には耀のことを話せていない。

でも課長は重い空気をまとう私と菅原くんの様子を見てなにか勘付いているようだ。

勘付いていながら、耀のことには触れず、6月のイベントに関しての申し送りをすると言い出した。

そうだ。

廃止が決定しない限り、推進課は通常運転。

恋愛相談に関しては課長と蓮見さんが私と菅原くんの分まで担ってくれている。

でもイベントとなるとさすがにふたりでは荷が重い。

特に先月失敗した分、盛り返さないといけない。

万が一、耀に恋人を見つけるというミッションが失敗に終わってもそれを挽回するために、成立率の高いデータは残しておきたい。

課長は言わないけど6月の婚活イベントに賭ける想いはいつもの倍以上だ。


「今回はスポーツを使った婚活イベントにしようと思います」

「え?」


課長の提案に私と菅原くんの声が揃った。

通常、スポーツ(ランニングだったり、ゴルフだったり、運動会だったり、毎年違う種目を選んでいる)を使った婚活イベントはスポーツの秋である10月に予定している。

それなのにどうして6月に行うのだろう。
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