ツケマお化けに恋して
辰次郎Side
店をリニュアルする為、今週いっぱい店は休みだった。
俺は、料理が好きで仕事の休みの日には常備菜、ひじき煮やきんぴらをなど作り置きするようにしていた。
久しぶりの連休で家でのんびり過ごしていたが、彼女の事が気になりナスとオクラの煮浸しと筑前煮を作って彼女に持って行こうとせっせと作って居た。
今まで誰かの為にわざわざ作って持って行く事など無かった。

「俺も変わったもんだな…」と苦笑する。

煮物をタッパーに入れ玄関を出ると彼女の叫び声のような声が下から聞こえた。
慌てて玄関前の通路から下を見ると彼女が男と揉めているように見えた。

あいつは誰だ?!

「嫌!稔やめて離して!!」

「美貴野、頼むよ!」と男は美貴野の腕を掴み迫っているように見えた。

「痛い!!稔、お願い離してよ!!」

俺は慌てて階段で下まで駆け降りると彼女の口から元彼の名前が出た。

なに?
元カレが家まで押しかけて来たのか?
ふざけるな!まだ、彼女を苦しめるのか?

「おい!何してるその手を離せ!!」

俺は男を睨み彼女を捕まえている男の手を払い除けた。
こいつ酔っ払っているのか?
元カノの所に来るのに飲まなきゃ来れなかったのか?小さな男だな!

「あんた誰だよ関係ないだろ!?」と男は俺を見据える。
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