高貴と体を繋げるまでの長く触れ合う時間は、幸せに満ち溢れていた。

ゆっくりと時間をかけて、私の心と体を溶かしていく優しいキスと手に何度も感じて…最後の方は今思い出しても恥ずかしいくなるほど彼を求めていたと思う。

義兄に覚えさせられた感触を拭い去ってくれた高貴…今は、彼の温もりが愛しくて、もっと触れてほしいと思えるほど私を変えてくれた。

こうして裸で抱き合う事が嬉しくて、ぎゅっとしがみついてしまう。

「……どうした?」

「幸せだなぁって思って…」

タバコを吸う男の胸に頬を当てる。

「俺も、そう思ってたよ」

本当に?

顔をあげて見つめていると‥タバコの味がするキスをくれた。

「…ねぇ、聞いてもいい?」

「何を?」

「優香とどうして手を結んだの?」

「あぁ、そのことか⁈簡単なことだ…彼女は常盤の心が欲しかった。奴は麗奈に執着していたから心まで手に入らない。
手に入れるには、ズタボロになった奴に手を差し伸べて救ってやるしかないと彼女は思っていたんだろう。そんな時に朝からロビーでキスしている俺らを見つけたのが彼女だった。そして…奴の耳に入るように噂を流したんだろう」

「えっ…そうなの?」

「たぶんな…つぎの日から何人か早く出勤してきていたからな」

「……うそ。見られているのにどうして教えてくれなかったの?」

「噂が上に流れれば、会長も諦めるだろう⁈」

「そうかもしれないけど…もう、恥ずかしくて仕事行けないよ」

「今さら…」

クスリと笑う高貴のお腹に軽くパンチをしてやる。

「それで、高貴はどうしたの?」

「どうもしない…毎日、あの場所で麗奈にキスしていただけ…しばらくすると奴が確かめにきて、苦々しく睨んでくるからお前を抱き寄せてあいつを煽ってやったら、SNSで写真を流してきた」

「うん…それは優香から聞いたけど…」

「写真を撮られた時点で、奴の狙いがわかっていたし…そう仕向けたのも彼女だろうと思っていたから野村さんに声をかけたんだ。そこで、お互いの目的の為に手を組んだ」

「それが、あの人をどん底に落とすって事なの?」

「そうだ…わざと仕事のミスをしだすだけじゃなく俺を追い詰める為だけに、専務にまで手をわずらわせ迷惑をかけ始めていると教えてやる為に、俺はあいつを追い詰めた仕返しも兼ねてな…」

私の知らないところでいろいろあったのだろう。