体の痛みに目を覚ますと、畳の上に布団かぶり寝ていたようだった。

そうか…昨日はあのまま眠ってしまったのか…

俺を運べないから布団をかけてくれたんだな…

体を起こし、手を上にあげ固まった背筋を伸ばす。

「ん〜…」

外は、昨日から積もった雪で真っ白になっていた。

どうりで寒いはずだ…

んっ、ここに布団があるってことは麗奈はどこだ?

辺りを見回すが麗奈がいない。

ベッドの上にもいない…湯船にでも浸かっているのかと風呂場を覗くが入った形跡もない。まさか、外かと…覗いたが彼女はいない。

どこだ…

玄関先には彼女が履いてきたブーツがなかった。

浴衣のまま、慌てて外に出ると一方通行の足跡…その足跡もちらちら降る雪で消えかかっている。

訳がわからない。

俺は、彼女の携帯を呼び出す一方で内線で母屋に連絡する。

「俺だけど…麗奈がいないんだ」

電話の向こうの友里江さんが声を詰まらせていた。

「……どこに行ったんだ?知ってるんだろう?」

「高貴さん…彼女は朝方早く帰られました。引き止めなくてごめんなさい…」

ガチャンと受話器を投げつけるように置き、スマホを耳に当てる。

『……電波のつながらいところにおられるか電源が入っていない……』

手の中からスマホがドンと畳に落ちていた。

れいな…

なぜだ…

急いで着替えを済ませ、母屋で会計を済ませた。

友里江さんは申し訳なさそうに俺の動向を見つめ

「本当にごめんなさい。急な用事ができたと言っていたのよ…それに、高貴さんを起こさないであげてと言っていたから……本当にごめんなさい」

「……気にしないでください。それより、何時頃の話ですか?」

「確か、5時過ぎだったかしら…タクシーを呼んで駅までお願いしたから始発の新幹線に乗ってるいるはずよ」

腕時計を見ると9時前だった。
今から車で追いかけるか?
それとも駅まで行くか?

「9時43分の東京行きがあるけど…どうする?」

車で3時間ぐらい…この天気だと高速は規制がかかっているはずだ。

それなら…

「新幹線で行くよ。しばらく、車預かってて…」

車のキーを預け、既に呼んであったタクシーに乗り込み駅に向かった。

ギリギリ乗車することができ、つながらいスマホに何度もメールを送る。

既読のつかない画面を見て、彼女はなぜ何も言わずいなくなったのかと考えていた。