恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
14.幸せが崩れていく
カチャ…

あっ、帰ってきた!

パタパタパタ…

「松田さん、おかりなさい!」

「……」

ん?不機嫌?

「やり直し。俺はいつまで『松田さん』なんだ?『たいき』…言ってみ?」

うっ…名前呼び。恥ずかしい…

ほらっと催促される。


「おかえなさい…大樹」

言ったとたん、ものすごく嬉しそうに微笑んで、

「ただいま。悠里」

優しいキスをくれた。


カアァァ


たぶん私は真っ赤だ。

「きょ、今日は、ロールキャベツ作ってみたの」

誤魔化すように、早口で言う。

「楽しみだ」




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