恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
この二人には、二年前の失恋の経緯を知られている。

入社当時から都に片想いしていた俺は、二年前の夏に振られた。

まあ、いい。今は完全に吹っ切れてる。


「で、どうしたのよ?お姉さんたちに話してごらん」

「田中。おまえとは同期だけど、俺の方が歳上じゃないか?」

俺の指摘に、三奈がヒラヒラ手を振り、そんなの気にしない、気にしない。
精神年齢は、大樹より私の方がお姉さんよ」

「ほっとけ。自分のことは自分でする」

「協力するよ?あんた…また失恋したら、今度はもっとすごい車を買うよね」

人の話を聞いてないな。この酔っぱらい




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