優しくて温かい場所(Gently warm place)
二話☆☆過去Ⅰ
小学校から大学までの一貫の学校に入る。

ママは、私が小学校に入学した年に
病気で他界した。

イギリスから日本に嫁いできて
慣れない都市で兄と私を産み
育ててくれた。

父は、政治家で
家を省みる人ではなく
全てをママに任せっぱなし
日本の事を知らない、ママが
どれだけ大変だったか‥‥

だが父は、あちこちに女を作り
家に帰らない。
なんのために、イギリスから
ママを嫁にしたのか‥‥

ママは、日本に来なければ
父と結婚しなければ
亡くなることは、なかったのでは
ないかと‥‥私は、小さいながら
ずっと思っていた。

ママが、亡くなると
父は、直ぐに後妻を迎えた。

派手な女で、私は大嫌いだった。
兄もママが大好きだったから
私と同じで、後妻になつくことは
なかった。

そんな生活の中で
私の拠り所は、親友の綾華だけだった。

綾華は、ママが亡くなったときも
私に寄り添い、私に生きる希望を
与えてくれていた。

私と綾華は、
小学、中学、高校と過ごし
大学に入学した。

私が、大学に入ると
兄は、父の基盤を継ぐ準備に
海外に研修にでた。

綾華は、
自分の会社を立ち上げ
夢の実現に頑張っていたから
邪魔をしたくなくて
私は、バイトをすることにした。

小さなカフェだが
すごく温かくて
私のお気に入りのお店だった。

そこに、
バイト求人の張り紙が張ってあり、
私は、その場で
マスターにお願いして
採用となった。

その時、私の教育係をしてくれたのが
安西 智さん、大学三年生の方だった。
< 2 / 61 >

この作品をシェア

pagetop