幼馴染みの期限
〈3日前〉私たちの初恋

……着いちゃった。


家に向かう途中でも、広海は何も話しかけてくれなかった。


私はどんどん歩く広海に付いて行くのに必死だった。


わざわざ今日で最後だよな?って確認したくせに酷いよ。


今日で終わらせようって言ったのは私だけど、こんな終わり方ってないんじゃない?



私のこと、ほんとうは嫌いだった?


もて余してた?


そんなに……私の事をさっさと片付けて、才加と付き合いたかったの?


そう思ったけど自分からはとてもそんな卑屈な事を聞く気にはなれなくて、ただ黙って俯いていた。


『今までありがとう』そう言ったのだから、もう『バイバイ』と言って別れるだけ。


そうしなくてはいけないと思っているのに、私の足は根が生えたようにその場から動くことができない。

「……っ、」


「樹里」



何も声の出ない私を見て、広海は焦れた様子で私の名前を呼んだ。


「行くぞ」


「…………え?」
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