朱色の悪魔

3


怪我が完全に治るまで1ヶ月かかった。

普通の人なら1週間で治るような怪我。

でも、治らない。

極度に遅い回復力は、私が今こうして生きていられる理由。

赤を身に秘めていても生き続けられる理由。

怪我は治らなくても、病気には一切かかったことがない。赤がすべて殺してしまうから。

でも、逆に言えば赤がなければひどく貧弱な体だ。

怪我は治らない。
病気に対する抵抗力はまるでない。

だから、赤と共生できる。


それが、私、朱音。別名、コード01。

朱色の悪魔の被検体の成功例、1。たった1人の完全なる成功例だ。


純日本人の、病気に対する抵抗力が低く、自己再生能力が低い被検体同士を交配させて、作られた子ども。

その子どもをさらに無抵抗な状態まで下げて、朱色の悪魔を注入する。

朱色の悪魔を入れられた者は、それに犯される。

瞳は赤く染まり、髪の先まで赤は犯す。

それが、証。
朱色の悪魔を身に宿した証。
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