円満破局

ごめんね





学年がひとつ上がり、2年生になってから1ヶ月が過ぎた。

クラスが変わり、周りの顔ぶれがあまり見慣れないものになっていたけど、それも随分落ち着いたんじゃないかなと思う今日この頃。



クラスで行動を共にしている人たちが定まってきている。

まぁ、去年と同じようにわたしはその輪には入れず、基本的にひとりなんだけど……。



そんな1年生の頃から変わったようでわたし自身に変化は感じられない毎日の、まだ春らしい柔らかな空気が流れる放課後。

わたしは渡り廊下を軽く走っていた。



ちょうど日直の仕事を終えて、教室に慌てて戻っているところ。

髪が振動でふわふわと揺れる。



どうしてこんなに急いでいるかというと。

そこには、わたしの大好きな彼氏のはるくんが待っているから。



1年生の終わりの冬、付き合うようになってからの〝はるくん〟という呼び方はいまだ慣れない。

恥ずかしくて、こそばゆくて、名前を口にするだけでどきどきしてしまうんだ。



待っているはずの彼を想い、自然と口元が緩む。

それをそのままに、ぱたぱたと足音を立てていると中庭から声がすることに気づく。

ふと顔を向けたところで勢いよく柱の陰に隠れた。



そこにいたのは、女の子らしくアレンジされた髪の女の子とはるくん。

……明らかに、告白現場だった。






< 4 / 55 >

この作品をシェア

pagetop