ご返答は、本日でなくとも構いません。良いお返事をお待ちしております。

 それだけ云い置き、御園大佐は、この日は去っていった。


「雅臣。園田と二人だけにしてくれ」

 御園大佐が帰ると、珈琲カップを片づけようとしている雅臣に、大ボスが重く告げる。

「かしこまりました」

 カップを片手に、雅臣だけが隊長室を出て行った。
 隣に座らされていた心優は、ただひたすら呆然としていた。

「園田、そこへ」

 話があるから正面に行くようにと促され、心優は力が抜けそうな身体をなんとか律して、御園大佐が座っていた正面へ座り直した。

「突然で驚いただろう。でも、御園大佐が言っていたことは嘘でもなくて、ミセスはおまえのことをとても気にしていたんだよ」
「そうなのですか。わたしなど……」

「似ているんだよ。彼女が若い時に。俺もそう思っていた。女らしさを横に置いて、園田は空手、彼女はコックピット一筋。でも密かに女心は秘めている。葉月ちゃんは、誰よりもそれを感じていたんじゃないかな。園田が化粧をするようになったころから、可愛くなったわね、お洒落になったわね、顔つきが柔らかくなった、お茶が上手になったと、なにかしらおまえが成長した部分を見つけては、喜んで帰っていったよ」

 そんなに目をかけてくれていたんだと、あの女王様が見守っていてくれたことは、感激だった。

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