すきだから
遠慮なんてしないよ?(side chitose)
教室の一角で、千歳は相変わらず女子に囲まれていた。

学年一モテる男は、毎日のように休み時間になれば誰かが寄ってくる。
それはいつもの事で、千歳もまた駆け寄る女子に爽やかな笑みを浮かべて応えていた。

そしてチャイムがなるまで、たわいのない話をする。
千歳は話半分で適当にかわしながら、集まる女子を相手にしていた。


だが、千歳が香苗に告白したという話が広まると、そのたわいのない話は香苗への嫉妬による悪口へと変わっていた。

「B組の相川さんに告ったって本当なの!?」

「千歳くんならもっと可愛い子がお似合いなのに~」

「どうしてあの子なの?納得いかないんですけど」

女子の口からは次々と香苗を蔑むような言葉が、千歳に浴びせられた。

しかし千歳の態度は一向に変わらず、笑みを浮かべながらコーヒー牛乳を飲んでいた。


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