すきだから
そんなある日、廊下で結城と出くわす。
結城はすれ違いざま、「もうお前の入り込むスペースなんてないからな」と言った。


振り向いた時に見せた、あの勝ち誇ったような俺を見下したあの顔。
俺は一生忘れないと思う。


何が、「邪魔するな」だよ。
まだわかんねぇだろ?


香苗はまだ俺の事好きかもしれねぇじゃん。
もしかしたら強がって、別れたかもしれねぇじゃねぇか。


ふざけんな、香苗は俺のモンだ。
アイツになんか、絶対渡さない。


俺がゴメンって、今でも好きなんだって言えば、香苗だって素直になってくれる。

だって、今でも結城と付き合わないのは、俺が忘れられないからだろう?


もう間違えない。
俺は香苗を離したくない。


絶対に・・・!
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