桜の降る日に
2
あの後、4人で他愛もない話を6時くらいまでして
緋里と翠は都合に合わせて解散していった。
残されたのは俺とくるみ。
『くるみ帰らねぇの?』
「あー、うん。帰るよ?」
一瞬寂しそうな暗い表情をしたのには気づいた。
けど、近づきすぎるのも嫌だから
俺は気付かないふりをした。
でも、一応
『ずっと起きてて疲れただろ。
後ろ乗れよ。送ってく。』
そう言って顎でバイクに乗れと促す。
「意外と優しいんだね。
でも、私一人で帰れるから大丈夫だよ
ありがと!」
微笑んでくるみは言った。
『ふーん。じゃあまたな。』
そう言ってバイクに一人でまたがり家に帰ろうとした。
けど、ミラー越しに寂しそうな顔が見えたし
あいつが歩いて行った方向が空き地の奥の方
つまり、俺らが喋っていた所で
ワケアリなやつだなんてすぐわかってしまった。