キミに想いが届くまで。

憧れていたもの




中学1年生。

桜も散ってだんだんと日も長くなり、春から夏へと移り変わろうとしている今日この頃。



「月9見た?すっごいヤバかった」


「ここの化粧品がオススメだって」


「ピッチャー振りかぶって第1球。投げましたー!」


「おい、バカ」



「……いたっ」



私には友達がいない。


頭にぶつかって床に落ちた丸めてある新聞紙を見つめる。



そのあとすぐに謝りに来る男の子に短く返事をした。



そして机に突っ伏してみる。

入学してからもうすぐ1か月になる。


だけど私は人見知りなこともあって自分から話しかけることができず、一緒に時間を過ごす相手がいない。



地味な性格が災いして、話しかけにくいのか必要最低限の会話しかしたことがない。




周りは友達を作って楽しそうに笑っているのに、私はその輪の中に入れていない。




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