いつもは人を寄せ付けない厳しい顔なのに、その瞬間は子どもみたいな笑顔になる。


こうして私しか知らない時間があるのが嬉しい。あなたを独り占めしているようで。


2人きりのティータイム。


それは、苦くてもとても甘い時間だった。






「君ね、何年勤めているんだ? もう4年目だろう。それなのにこんな凡ミスをするのか?いつまでも新人気取りじゃ困るぞ」

「申し訳ありません……」


毎日いつもと変わらない職場の光景。まだ30代で黒髪をきちんとセットした、整っているだけに迫力がある茶堂(さどう)課長の厳しい顔を前に、菜っ葉みたいに萎れている私の姿。他の人たちは忙しいふりをして助けてくれない。


仕方ないよね……私は3年以上勤めているのにケアレスミスが多くて、ドジな上に鈍い。仕事も遅い割に大雑把。容姿だって平凡以下で可愛いわけじゃないし、オマケに対人関係が苦手ですぐ萎縮してろくに喋れない。こんな私に構う人なんているはずないんだ。


こんな私が短大卒でこの会社に就職出来たのは奇跡だってみんなに囁かれたのも知ってる。

でも、どれだけ一生懸命頑張ろうとしても結果はご覧の通りで、泣きたくなるくらいに自分は仕事ができなかった。