夢見る世界
セブンティーン
20XX年。予知夢の存在が科学的に証明された。ごく限られた人間しか見ることのできない予知夢だったがそれから半世紀も経つ頃には人類のほとんどが予知夢を見ることができるようになっていた。
「ねぇ!聞いてる?ミキ!キミってば!」
あー、はいはい。予知夢デビューしたんでしょ?オメデトー。
「大事なことだよ!?17歳になるまでに予知夢が見れなかったら一生なにがあっても見れないんだから!ミキは明日で17歳じゃん!焦らないの!?」
サトミが興奮するのもわかる。今、世界の17歳以上の人間の98%は物事の大小は様々だが予知夢をみることができる。残りの2%は…どうなんだろう。割合しか発表されていないからなんとも言えない…
ミサト…予知夢が見れなくたって生きていけるんだよ。たぶん。
それと、教室で大声はよくないと思う。
「なにそれー。さめるわー。まぁ、見れなくてもレアな人間になってテレビ出ちゃうかもねー!」
お気楽ですこと。意外と気が気じゃないだからねー。まぁいいや。
それで?どんな予知夢みたの?
「そう!それなんだよ!予知夢デビューは嬉しいんだけどさ!ミキが入院してベッドで寝てる夢みたの…」
それって、ただの夢だったんじゃないの?やめてよ。怖いよ…
「でもすっごいリアルだったし一応気をつけてね?」
嫌なことを聞いた…
もしも本当に予知夢だった…
考えたくもない。サトミはすこし申し負けなさそうな顔をしていた。
サトミー私が本当にそんな状態になると思うー?元気だけが取り柄だよー?
そんなことないってー!
「そうだよね!明日はミキの誕生日だし放課後にプレゼント買ってあげる!
嫌なことを忘れて楽しもう!」
そうだね!楽しもーう!


放課後サトミにネックレスを買ってもらった私の誕生日の11月4日と2人の名前が刻んであるプレート付きのネックレス。2人の思い出が増えて嬉しかった。私は上機嫌で家に帰って、不安を取り払うようにいつもより早くベットにはいった…


「ミキ!スゴイよ!予知夢を見れる人の中でもトップクラスの性能なんて!いいなぁー。ミキくらい予知夢が正確で毎日見れたら苦労しないのになー。」


ばっ!!!目がさめると朝になっていた…コレって…
もしかして!!!
予知夢キターーー!!!!
ねぇ!サトミ!予知夢みれた!私!予知夢みれたよ!
「え!?ホント!?やっったー!!!よかったじゃん!」
サトミは自分の事のように喜んでくれた。
私の予知夢は毎日のように見ることができる予知夢だった。些細なことから重大事件の解決まで予知できるもの世間ではちょっとした有名人になっていた。
「ねぇ、ミキ。最近大丈夫?」
サトミがすこし不安そうな顔で話しかけてきた。
え?どうして?充実してるよ!
「いや、だって。予知夢のことで最近凄く忙しそうだし…友達として心配っていうか…」
サトミが心配してくれたことは素直に嬉しかった。たしかに、最近は予知夢しか見ないせいでまともに寝られている気がしない。その時ミサトに言われた予知夢を思い出した。ベットの上で入院か…体に気をつけなきゃ…
大丈夫!でも今日は早く寝るね!
「よかった!今日は予知夢みないとイイね!」
その日はいつもより早く寝ることにした。
よし、今日は予知夢みないぞ!!
でも、見たくないと思って見なくなるものなのかな…
まぁ、寝てみてだな!
そして私は深い深い眠りについた…





11月5日朝のニュースの時間です。
速報が入りました。予知夢を見ることのできない人は世界人口の2%になると言われていますが、その人々のほとんどは日常生活に異常はないとの事ですが、稀に明晰夢に浸ってしまい目覚めないことがある事がわかりました…

「ミキ…起きてよ…」
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

創世記〜アナザー〜

総文字数/6,082

ファンタジー2ページ

表紙を見る
Onedey

総文字数/2,069

青春・友情1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop