御曹司と溺甘ルームシェア
3、メール室の面々
「あんた、ついに頭がおかしくなったんでしょ?男に触れられるとじんましんが出る女を嫁にしようとするなんて、相当な変人よ。これってカモフラージュなわけ?ひょっとしてあんたゲイなの?」

私が一気に捲し立てると面食らった冷泉は一瞬目を見開いたが、ククッと肩を震わせ笑い出す。

今、ここには私と冷泉の二人だけ。

しかも、場所は冷泉商事のエレベーターの中。

社長室で冷泉が婚約者だと聞かされた後、冷泉と父と鷹頼の三人は私を放置して三人で和やかに話を始めた。

『冷泉君、すまない。私がこの子を甘やかしたばっかりにこんな我が儘に育ってしまって、おまけに一人では何も出来ないんだ』

父がペコリと冷泉に頭を下げる。

その目にはうっすらと涙も浮かんでいて……。

この太っちょダヌキ、娘を嫁に出すってシチュエーションに勝手に酔ってるな。
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