ラブ&ロイド
五嶋颯の未来
「…えっ…?」

その言葉を、にわかに信じることはできなかった。

「顔も、声も変わった。知識の量も、あの頃とは比べ物にならないほど増えた。だから信じろという方が無理かもしれないけど…俺は、結…」

言葉が一瞬途切れる。

「…三鷹と同じクラスで、あの席に座っていた、零泉翔なんだ」

力がどっと抜け、その場に倒れたような気分になった。

颯が、零泉。飲み込めるはずがなかった。

「…も~、何言ってんの? アンドロイドって冗談も上手いんだね…」

一縷の望みを掛けておどけてみたけれど、黙ったままだった。

「…ねぇ…」

両肩を掴み、揺すってみる。

「嘘って言ってよ…」

でも、一言も喋らなかった。

「ねぇ、嘘でしょ!? 嘘なんでしょ!? 嘘って言ってよ!? 颯が零泉!? そんなわけないじゃん! だって私、零泉のことは別に好きってわけじゃなかったけど、颯のことは好きになったんだよ!? 好きになれたんだよ!? それに、愛だってそんなこと全然言っ…て…」

肩に置いていた私の手が、離れる。

忘れていたけど、愛は…颯が零泉かもしれないって、気づいてた…。

じゃあやっぱり、目の前にいるのは、颯じゃなくて…。

「…零泉…」
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