強引同期が甘く豹変しました



「お疲れ様です!カンパーイ!」

「お!お疲れさーん」


仕事終わりに寄った、会社近くの小さな居酒屋。
4人がけのテーブル席で目の前に肩を並べて座るのは、小島ちゃんと矢沢の2人。

ちなみに私の隣には誰も座ってない。

面倒くさいことはさっさと済ませておこうと、小島ちゃんとのやりとりがあった直後の昼休みに、廊下でバッタリ矢沢に出くわしたので飲みに行かないかと私から声をかけた。

矢沢は二つ返事でOKと言った。
それからアレヨアレヨと言う間に話は進み、今に至る。

一人では気が引けて紀子も誘ってみたけれど、杉崎の体調が良くないらしく、今日はやめておくと言われ結局3人で居酒屋に来るはめになった。


けれど、今小島ちゃんには、矢沢しか見えていないらしい。
一応私も目の前にいるのに、カンパーイ!と言ってジョッキを当てあうのは矢沢が持つジョッキにだけだった。

そんな2人の乾杯シーンを黙って見ながら、私は小さく息を吐いて生ビールをゴクゴク喉に流し込む。


って…私、何やってんだろ。


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