溺愛伯爵さまが離してくれません!

お暇を下さい

「あの、伯爵さま」

「ん?」

伯爵さまは、新聞を読みながら食事を摂られています。
私の呼びかけに、新聞に落としていた目を私へと向けました。
ばちり、と目が合い、何故か目を逸らしてしまいます。

「どうした?」

「あ、あの・・・、申し訳ないのですが、少しお暇を頂きたいと思いまして」

私の言葉に、伯爵さまはふうん、と息を吐くと口を少し尖らせました。

「暇、ねえ。別にいいけど、何か用事でも?」

「まあ・・・そうです。実家から手紙が来ておりまして、最近帰っていないものですから久しぶりに」

「そう。どのくらい?」

「一週間ほど頂けると」

一週間かぁ、と困ったような表情を浮かべております。
何故、そんな顔をするのか分からない私。
別に私がいなくても、他の侍女が代わりをするのですし、困りゃしないでしょうに・・・。

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