溺愛伯爵さまが離してくれません!

天国から地獄へ

どのくらい泣いていたのでしょうか。
大分落ち着いたとき、ようやく自分の置かれた現状に気付きます。

私ったら恥ずかしげもなく、伯爵さまの胸の中で子供みたいに泣いて、何をやっているのかしら!
ああ、嫌だ!情けない!どこかに穴があったら入りたい気分だわ!!

伯爵さまから離れようと、身体を捩ります。
が、しかし伯爵さまの腕の力が強く、離れる事が出来ません。

「は、伯爵さまっ・・・!」

そう声を掛けると、伯爵さまはようやく私の身体を解放してくれたのでした。

「・・・少しは落ち着いた?」

「は、はい。すみません、年甲斐もなくこんなに大泣きしてしまって・・・」

優しく微笑む伯爵さまの顔を恥ずかしくて見る事が出来ず、俯きながらそう答えます。

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