君が好き~16歳ママの恋~
いつものお散歩ルート。


いつも行ってる公園は、夢羽もお気に入り。


公園が見えてくると、とっさに、夢羽の手を引いた。


公園のベンチに橘日向がいる。


「夢羽、今日は違う公園に行こうか」


「いや。ムーね、ここがいいの」


これは、どんなに言っても聞かないやつだね。


しかたないか。


でも、この公園のベンチは、1つしかない。


橘日向から若干離れてベンチに座った。


「来ると思ってた」


いきなりなに?


「オレさ、子ども好きなんだよ」


橘日向は勝手に話し出す。


一応聞くけど、もちろんどうでもいい。


「でも、分かんねえよ。なんで、16歳で、母親なんだよ」


しかたないじゃない。


こうするしかなかったんだから。


「お前、気づいてるかもしんないけど、学校じゃけっこう人気あんだよ。男子からはな。いつも無表情で何考えてんのか分かんなくて。そういうとこがいいって」


だからなに?


周りにどう思われていようが、私には関係ない。


「な、連絡先、交換してくれ。きっと、役に立つから」


橘日向は、無理やりスマホをとった。


「ちょっと……」


強引。


やめてほしいけど、まあいいか。


どうせ、使わなければいいだけでしょ?
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