かわいいあなたにマフラーを
彼女のいる日常
「はよー」

翌朝、緑木が登校してきたのを確認して俺は席を立った。

「緑木、ちょっとこっち!」

「ん? どした?」

入ってきたばっかりの教室を、俺にあっさり押し出される緑木。

「お前のおかげ、ありがとう!」

俺は、緑木の好物のお菓子をいっぱいに詰めた袋を差し出した。

「あ、たこっちぅせんべい!
って、どうしてこんなに?」

くれるの? と嬉しそうな緑木に、静谷と付き合うことになった、と伝えた。

「おぉ~良かったじゃん!
って、俺特に何もしてないけど」

「いやいや、俺、意識しすぎて静谷と話したこともほとんどないし、二人っきりとかなったことなかったんだよ。

お前が昨日チャンスを作ってくれたから……! 

だから、ありがとう」
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