虹色研究部 - ニジケン -
ニジケン、化ける
期末試験に、夏休みに、そしてニジケンに。
めまぐるしく過ぎていく日々を経て、季節は侘びしさ香る秋がやってきた。

カッターシャツ一枚では、ブルッと身震いする肌寒さを感じる。
煩いほどの緑色を輝かせていた桜の並木道も、紅葉に向けて衣替えの準備をしているようだ。


「涼しくなったねー」


トミーはため息交じりに、うろこ雲が浮かぶ空を見上げてポツリと呟いた。

お昼ご飯を食べ終えた私達は、中庭のベンチに並んで腰掛けていた。


「そうだね。もう日が落ちるのも早くなったし」


しんみりしながらベンチの背もたれに身体を預けると、ふいに見知ったシルエットが視界に現れる。


「あっ、あれ……」


声を上げた私を不思議そうに見つめたトミーは、私の視線の先を追って「あぁ」と呟く。
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