without you
「残りのシャツはどうしますか」
「そーだなぁ・・・あの3枚だけこっちに置いとく」
「分かりました。じゃあ今アイロンかけておきます」
「ありがとな」
「いえ」とだけ返事をした私が社長部屋に入って、社長が部屋から出たすれ違い時。
「木戸」と社長に呼び止められた。

「はい?」

・・・この人、ホント背が高い。
私の身長160センチに、今履いてる8センチヒールを合わせても、これくらい近くにいると、191センチの社長を見上げないといけない。

「おまえ、気づいてたか?」
「・・・何をですか」
「おまえはもう、俺のことを怖がってない。デカい俺が近づいても、体引いてないだろ?」
「え」

驚いた。
自分が気づいてなかったことに。
それ以上に、社長もあの時のやりとりを思い出していたことに、私はもっと驚いた。

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