俺様な狼上司に迫られて!
予想外です!
「……何だ、それ。」
おーちゃんの言葉に
目を見開いたまま
小さくそう呟いた部長。
…多分、今の彼の精一杯がこの言葉。
「お前は見る目がない!!
こんな目の前に…可愛い可愛い俺の幼馴染がいるっつーのによぉー!!!」
---なんて
酔いまくりの彼は
フリーズした私たちなどお構い無しに
ガーガーと部長に言葉を続ける。
…ちょっと君さ
私達2人のメンタルも気にしてくれない?
(----------。)
私はもう
完全に、頭が真っ白だった。
まさかこんな形で
しかも他人から
自分の気持ちを暴露されるなんて
思いもしなかったから。
予想外すぎて…
どうすればいいのか、わからない。
「……詳しい話は、後で聞く。」
「---------!」
ずっと固まっていた私に
部長が声をかける。
…こちらを見てくる視線が---熱い。
「あ、の………はい。」
そんな彼の視線を感じながら
私は断ることも否定もせず
ただそう、返事をした。
「…おいタイガ!もう帰るぞ!飲み過ぎだ!」
「えー?!もうー?!
まだまだ俺飲めるぞー?!」
「これ以上お前に飲まれたら
俺らがもたねぇんだよ!」
ほら立て!
と 先ほどまでのフリーズは嘘のように
しっかりとした意識で
部長がおーちゃんを立たせる。
フラフラのおーちゃんを支えながら
自分の荷物を持った。
私も2人と同じように立って
おーちゃんの分の荷物も持つ。
そして会計を済ませ
この前の私のように
タクシーを拾って、3人で乗り込んだ。