第二秘書は恋に盲目
1.新米第二秘書
わからない。
どうしてこんなことになった?


少し肌寒さの残る夜。
会社帰りの人々の頭上では、桜が舞い散るこの季節。
人通りの多いこの街中に響く女性の悲鳴が聞こえた。
その周囲では次第にざわめきが起こり、やがて1箇所に人が集まってくる。

私はというと、そんな誰かの悲鳴や混乱を聞きながら、うつ伏せに倒れ込んでいた。
脇腹からドクドクと血を流しながら。

訳がわからない。

私は…、

人に刺される覚えなんてない。
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