第二秘書は恋に盲目
3.医者の反撃
ブルッ。

あ、なんか今寒気がした。
春と言っても夜はまだ少し冷え込むし、風邪引かないように気を付けないと。

今日もいつものように多忙だった。

朝出勤してすぐに、ホテル専用の携帯が鳴った。有名アニメのガキ大将が歌っている歌の着メロ、これは社長からだ。

電話に出ると、唐突に仕事を突きつけられた。一部の客室の家具を新しくするから良いものを用意しろと。

締め切りはなんと今日の午後。
無理だ！と一瞬思ったけど社長の命令だ。
無理でもやらないといけない。
とにかく家具店を探して、あちこち電話を掛けまくって、ようやく贔屓にしている高級家具専門店の従業員に来てもらえた。
そして、バタバタで家具を運び込み、いくつかのパターンの部屋を用意して社長を待った。

準備にかかった時間はおよそ6時間。
社長が来て、1つ1つの部屋をチェックし、気に入らない、という言葉を残して去っていくまでおよそ15秒。

すれ違い様に、マシなのは格好だけか、と吐き捨てられる始末。
< 48 / 334 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop