もう一度、恋はじめました

泣いた!泣いた!

駅で3人を降ろした

「今日は、ありがとう!楽しかった!」

「私も楽しかったです!
また、機会があれば!!」


晃喜は、ママーーって大泣きした


家に帰っても泣いた


あんまり泣くから、福来も淋しくなったらしく、晃喜を抱っこして泣いてた



祐来が亡くなった時、福来は泣かなかった

我慢させてしまったんだろう


晃喜は、祐来の記憶がない


ママってのは、幼稚園で得た知識


よその家庭は、皆 母親が来る


うちは、俺




それでも、晃喜からママという単語を聞いたのは、今日が初めて


覚悟していた


いつか、ママはどこ? って聞かれること



なのに、晃喜ときたら




「なんで、ママをおいてったの!!
パパ きらい!!」





「ごめんな…」




謝るしかないだろ…




福来は、何も言わなかった


それが、余計に可哀想だった


言いたいことも言えないように


我慢させているんだろう


わかっていても、どうしたらいいのか…





楽しかった1日は、嵐のような泣き声で
締めくくられた






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