フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜

6月赤いバラ(花言葉:熱烈な愛、私はあなたを愛しています)

週末まで引継ぎを済ませたかすみは、週明けから、専務秘書として、新たなスタートをきった。

薫があの時俺に任せてと言って意味深に笑ったことが気になったが、別に何かが変わることもなく、ただ穏やかで幸せな同棲生活が過ぎていくだけ。

岳も、かすみを専務秘書としてしか接することもなく、取り越し苦労だと思うようになった。

6月に入って、少しばかり、仕事内容が把握できてきたかすみ。

とはいえ、6月はジューンブライドということもあり、毎週結婚式や披露宴が立て込んでいた。

岳も二つの会場を行き来し、かすみもそれに同行する毎日。

毎日帰宅も遅くなっていたが、薫はかすみの仕事内容を把握してるし、忙しい事も知ってる。

自分も忙しいのに、家事全般をしてくれる薫にかすみはただただ感謝するしていた。

今夜も、薫に抱きしめられ、癒されて、薫の温もりにしっかりと抱きついた。

「…かすみさん」
「…なんですか?」

上目遣いに薫を見れば、薫は優しくかすみに微笑んだ。

「6月の最終日曜日、仕事が終わったら、仕事場で待っててくれませんか?」

「…それは構いませんけど、6月はジューンブライドで、仕事が終わるの遅くなりますよ?」

「…わかってます。それでも、待ってて欲しいんです」
「…わかりました。約束です」
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