ドラマ好きの何が悪い
14章 ドラマ好き誤解する
朝、スマホを見ると電話が10件とメールが3件入っていた。

電話の10件は、案の定全てシュンキから。

メールは電話を断念したシュンキからと、カズエから、そしてなぜかカイトからだった。

まず、一番返信の書きやすそうなカズエのメールを見た。

『お疲れさまー。その後、男前の彼氏ちゃんとはラブラブやってる?こちらは実はちょいと進展ありました。またゆっくり会いたいです。いつでもいいので連絡下さい。 カズエ』

カズエには自分の空いてる予定を何日か書いてすぐに送信した。

それから、迷って先にシュンキからのメールを開く。

『夜分に何度も電話ごめん。どうしても直接話したかった。明日、仕事帰りに会いたい。連絡待っています。 シュンキ』

明日ってことは、今日の仕事帰りってことだよね。

やっぱり私がいたの気づいてたんだ。

深いため息をついた。

会って何を話すんだろう。言い訳を聞かされるだけなんだろうな。

でもあんな男前目の前にして、優しい言葉かけられたら、きっと私またフラフラしちゃいそう。

できたら会いたくない。電話の方がいいかも。

『仕事帰りは何時になるかわからないので、夜電話じゃだめ? ミナミ』

そう書いて送信した。

すぐに電話がなる。きっとシュンキだ。

「はい。」

「朝の忙しい時間にごめん。シュンキです。」

「うん。」

「今日は会えないかな?少しの時間でもいいんだ。仕事が終わるまで会社出たところで待ってる。」

「それは困る。」

「困る?」

「私、待ち伏せされるの嫌いなの。待たれてると思ったら仕事が忙しくてもそっちに気持ちが行って大きなミスに繋がりかねないわ。」

適当についた嘘だった。

「そうか。会って話したかったんだけど。」

「電話がいい。」

シュンキはしばらく黙っていたが、「わかった。」と消えそうな声で答えた。

「21時頃は家に帰ってる?」

「多分帰ってる。」

「じゃ、それくらいに電話するよ。」

「わかった。」

「じゃ、また今日の夜に。」

電話は切れた。

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