ドラマ好きの何が悪い
5章 悩める主婦とドラマ好き
その週末。

私は久しぶりに早起きして、おしゃれ着に着替え、外に繰り出していた。

ドラマは今日は後回し。

そして、いつもの流れでおそらくやってくるであろうカイトがチャイムを鳴らす前に家を出た。

朝一番に映画を見る約束をしていた。

既に結婚もしていて、二人の子供もいる遠藤カズエと。

カズエとは高校時代からの付き合いだ。

かれこれ・・・その年数を考えると怖くなるので考えないでおこう。

カズエの旦那は、高校の時の同級生。

私たちは女子バスケ部で、カズエの旦那は男子バスケ部だった。

ありがちな恋愛模様。

だけどね、まさか結婚まで至るとは私もカズエも思ってなかった。

未だにふと信じられなかったりする。

お互い知ってるっていうのは、そういう実感が持ちにくい不思議な感覚になるものよね。

そんなカズエと久しぶりに映画を見に行こうということになった。

映画の主人公は、まさに今はまってるドラマの主人公だ。

最近ブレイク中のイケメン。

私たちよりは随分若いけど、そんなこたぁどうでもいい。

観てる間は、10くらい年齢若返ってるからね。

カズエもまたドラマ好き世代だから、久しぶりに彼の出る映画に誘ったら、

「私も好き!絶対行く!」と即答だった。

こういうとき、旦那が同級生だと、外に繰り出しやすいらしい。

私を敵に回す恐ろしさを、カズエの旦那は十分に理解しているからだろうか。

女二人、結託されるほど怖いものはないからね。
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