ドラマ好きの何が悪い
7章 ドラマ好きデートする
シュンキとは映画館で待ち合わせている。

電話でしゃべった結果、二人とも映画好きだという共通点があった。

まぁ、私的にはドラマ好きの方が勝ってるんだけど、さすがにそこは押せないからね。

しかも、今観たい映画がまさに同じだったこともあり、即決だった。

ミーハーな映画も好きだけど、結構マニアックな映画も観るのよね。

シュンキもマニアックな映画が好きだと言っていた。

要するにどでかい映画館ではやらず、小さいひっそりとした小規模映画館で上映されるような映画。

訳のわかんないフランス映画とか、イタリア映画とか。

でも今回は、少しコミカルタッチなフランス映画を選んだ。

あんまりね、恋愛ベタベタものを初デートで観るってのも飢えてるみたいだし。

フランス映画だと、おしゃれ度は間違いなく満載だし、見終わった後、「あれはどういう意味だった?」とか話題にも事欠かないからね。

お互い、ベストな映画の選択だったと思う。

年の功?

もしくは、意外と似た者同士?

運命!!!?

そんなことを考えながら、一人スマホを見ながらにやけていた。

ハルカも今日初デートだって言ってたな。

車で迎えに来るって言ってたけど、どこ行くつもりだろ。

奴のことだから、最初のデートはかっこつけた海岸線ドライブなんて提案しそうだな。

で、ちょっと夜景のきれいなレストランで食事してさ。

家まで送っていくよなんてきざなセリフ吐いて、最後まで紳士気取りでとりあえず送っちゃうんだろな。

そのかっこよさに惚れちゃった女子を何人も見てきた。

そんでもって、体の相性が悪いとかふざけたこと言ってすぐ振っちゃうんだよね。

まじか?って感じ。

ハルカにだけはそれはやめてほしい。

それだけは釘刺しておかなくちゃね。


「ミナミさん?」

その時頭の上の方からシュンキの声がした。
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