「梨乃さま、お茶をどうぞ」



セレナが梨乃に紅茶カップを渡す。
それを受け取った梨乃はそっと口を添え一口飲んだ。



「美味しい」



その言葉にセレナはフッと微笑みを浮かべる。





「プリンセス。もう金輪際こういったことはやめていただきたい」

「クロウ・・・。ごめんなさい・・・でも、私・・・」

「プリンセスがまだこの世界の事を今の状況を受け入れられずにいることをわかっていながら、時間が解決するだろうと見守るのに留めていた私の責任もあります。申し訳ありませんでした」



深々と頭を下げたクロウに、梨乃は言葉を飲み込んだ。
責め立てることはできない。
クロウが悪いわけではない。
それは、わかっていたから。

クロウは、国王の命令で梨乃の世話をしているだけで梨乃の今の現状もすべてクロウのせいなわけではないのだから。




「クロウのせいじゃ、ないでしょう?・・・クロウは、私の事を想ってくれてる。それは、わかるから・・・」

「プリンセス・・・」




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