【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
ドキドキ初デート

水族館でデート

デート当日。

私は待ち合わせの時間より二時間も早くに用意を始めた。服は、前日にあれでもない、これでもない。と奮闘して、やっと選んだ。もうすぐ夏だし、清楚に見える白のワンピース。それに七分丈のピンクのカーディガン。

最終チェックの為、それらを着て全身鏡の前でクルクルと回った。

「津田部長、気に入ってくれるかな」

少し気合いが入り過ぎているだろうか。

「だって、デートって言ってたし……」

今になって、またグルグルと考えてしまう。

「あーっ!もうっ!これで良いんだ!」

昨日も散々悩んでこれにしたのにまた色々考え過ぎて、頭がパンクしそうで、なかばやけくそになりつつ、用意を完了させた。

時間を確認すると、約束の10分前。

「そろそろ下にいた方が良いよね」

待ち合わせの場所は、私のアパートの前。先日送ってもらった時に、

『道覚えたし、デートの日はアタシが車で迎えに来るわ』

と、有無を言わさず決定した。

「結構、強引だよね……」

クスリと笑う。私は玄関を開け、よしっ!と気合いを入れた。

「あら、江奈ちゃんオシャレして、デート?」

鍵を閉めていると、丁度通りかかった大家さんに声を掛けられた。朝の掃除だろうか、ホウキとチリトリを持っていた。

「あ、おはようございます、大家さん。まあ、そんなトコです……」

照れながらそう答える。

「良いわねえ~。いってらっしゃい♡」

「はい。行ってきます」

ご苦労様です、とお辞儀をして下へ降りる。
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