居場所をください。
長曽我部side
お母さんに迎えに来てほしかった、か……………
「ひかる。」
「父さん…。聞いてたのかよ。」
「辛い役させたな。」
「いや。貴也に頼まれてたから。
美鈴のこと。」
「さっきのこと、本心じゃないだろ。
美鈴はひかるのことを大事に想ってるよ。」
「……………あぁ。
あいつも今は混乱してるだけだろ。
きっとあいつにも貴也の気持ちはわかるよ。」
「それより、追いかけなくていいのか?
マンションにはマスコミが来てるだろ。」
「あぁ…でもきっとマンションには行ってない。
あそこの部屋には貴也との思い出が詰まってるからな。」
「……………どういうことだよ。」
「貴也のやつ、毎日美鈴の部屋に泊まってるよ。」
「は!?」
「父さん、今そこキレてる場合じゃねーから。」
「……………そうだな。」
「美鈴が帰れるところか。
とりあえず行ってくる。」
「頼んだ。」
俺はすぐに車に向かった。