居場所をください。

貴也side




「起きたか?」


「うん。」


母さんは今のところ

痛み止でまだなんとか立てるし歩ける。


思ったよりも進行が遅くてなんとかなっている。


「飯、どうする?

ベッドで食うか?」


「今日は歩けそうだから

そっちいくよ。」


「わかった。」


俺は肩を貸して母さんを支える。

結構な力仕事で細かった俺にも

最近筋肉がついてきた。


「気を付けろよ。」


母さんはゆっくりと歩き、

ゆっくりとダイニングの椅子へ座る。


「テレビのリモコン置いとくから。」


俺はそれだけ言って

母さんに飯を用意する。


「貴也、いいの?」


「なにが?」


俺は母さんの方に目を戻すと

母さんはテレビで俺と大橋についてのことを見ていた。


「美鈴ちゃん。」


「……………美鈴はちゃんとわかってるよ。」


「でも絶対傷ついてる。」


「俺にはなにもできねーよ。」


ごめんって

たった一言すら俺には伝えることができない。


電話をすることもできるけど

声を聞くと…話をすると

せっかく我慢してきたのが崩れてしまいそうで

怖くて俺は美鈴を避けるしかできなかった。


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