居場所をください。
亜樹side
「ずいぶんおせーな。」
「メールしたろ。」
「美鈴を送ってんだろ?」
「わかってんじゃん。」
俺は美鈴を送ったあと
岳んちに来た。
予定より一時間以上遅れて。
「亜樹さ、随分美鈴に入れこんでんだな。」
「は?別に普通。」
「亜樹のタイプじゃねーじゃん。美鈴って。
なのに家まで送ってくなんて
珍しいことするんだな。」
「うるせーよ。」
「素直じゃねーな。」
「別に好きじゃねーし。」
「じゃあなんでそこまでするわけ?」
「あいつの話はもういいだろ。」
「よくねーよ。」
「面白がってんなよ。」
「で、なんでそんな入れ込んでるわけ?」
「特別な理由なんかねーよ。
ただなんとなくほっとけねーだけ。」
「本当は好きなんだろ。素直じゃねーな。
俺はお前と何年一緒にいると思ってんだよ。」
「……………わかってんなら聞くんじゃねーよ。」
「たまには素直になれよな。」
幼馴染みってほんとやりにくい。
わかってんなら聞き出すなよ。