居場所をください。

美鈴side

「おっはー。」


「おう、おはよ。

まずは打ち合わせからだな。」


会社に入ると早々、

長曽我部さんが歩いてるのが見えて

私は駆け寄って話しかけた。


「今日は会社で打ち合わせ？

沖野さんのイベントのことだよね？」


「今日は会社で。沖野さんは来ないし。

っていうかみんな呼んでるしな。

演出のことだからな。行くぞ。

あ、佐藤はこっち頼んだ。」


「わかりました。」


そういって佐藤さんは

エレベーターに向かっていった。


「佐藤さんは別なの？」


「佐藤は映画のことでちょっとな。

あと貴也にも結構仕事してるから

その整理もあるし、今忙しいんだよ。」


「あー、なるほどね。

ってかさ、貴也にもチーフマネいないの？」


「いるけどあんま使えねーっていうか

佐藤に押し付けてるところもあるし

佐藤は一人で少し抱えすぎてるから。

だから美鈴の事はなるべく俺がやるよ。」


「ふーん、そっか。」


まぁ私は長曽我部さんいてくれれば

それでいいんだけどね。